2022/2/14 17:30

男色ディーノより山本小鉄に怒られた選手とは?ジュニア・トーナメントに森嶋?ノアの主催で開催!『ジュニアのみ興行』特集!

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4月29日、ノアの両国大会は、ジュニアのみ興行に!


 当欄でも、幾度となく挙げてきたと思うのだが、『客の入った興行』を表す際、例にひく大会が3つある。ひとつは、東京ドームの大会なのに立見席が出た、アントニオ猪木引退試合(1998年4月4日。1階スタンド後方のコンコースから観る形)。チケット即日完売で、VIP用の席を特別開放した、WWE(当時WWF)の横浜アリーナ大会(2002年3月1日。ザ・ロック初来日)。そしてもうひとつが、新日本プロレスの1994年4月16日の両国国技館大会。チケットが前売りで完売したのはもちろんなのだが、当日券も発行。はて、こちらの方々はどちらで観戦するのだろうと思いきや、座席ブロックの合間の階段に座らされていた。コロナ禍の今では、なおさら懐かしく思う。大会名は、『SUPER J-CUP 1st STAGE』。ご存じ、ジュニア戦士たちのみによる、オールスター戦の、第1回だった。

 今週、動きがあった。2月7日の新日本プロレス・後楽園ホール大会で、高橋ヒロムがジュニア勢によるオールスター戦を提唱。2月9日にはノアの後楽園ホール大会で原田大輔が、「ジュニア戦士だけの、両国国技館大会開催」を主張。これを受け、ノアも4月29日(金)の両国国技館大会を、ジュニア選手のみの大会にすることを発表。同団体の公式HPをそのまま引くと、『本大会はノア所属選手全員ではなく、ジュニア選手のみが出場する大会となります』とある。表現自体は微妙だが、他団体のジュニア層が出場する余地は、充分、残されている。ヒロムのコメントとの呼応を切望する声も多いことだろう。

 今週の当欄は、プロレス界における『ジュニア選手のみによる興行』をご紹介。2ヵ月後の未来に、期待を込めたい。

『J-CUP』成功を決定づけた、試合方式。


 まずこちらの嚆矢になるのが、冒頭にも触れた『SUPER J-CUP 1st STAGE』。現在まで続く同大会シリーズの概要や内実については当欄でも触れてきたように思うので、ここでは今まで書いていない秘話を中心にご紹介させていただきたい。

 その予兆は、前年12月25日の新日本プロレスのクリスマス興行にあった(後楽園ホール)。トークショーに出たライガーが、妙な意向を示したのである。「来年の『BEST OF THE SUPER Jr.』、出るの辞めようかな……」。しかし、続けて言った。「でも、他団体の選手が出てくれれば別」。専門誌ではほぼスルーされていたこのトーク内容だったが、実はこの時、既にライガーは、ジュニア勢によるオールスター戦の実現に手応えを得ていたのだ。発端はこの少し前に専門ムック『プロレス王国』(日刊スポーツ社)にて収録された、当時のジュニア戦士たちによる、団体の壁を越えた座談会。拙著の類にも書かせていただいたが、この時、ライガーだけが、「(オールスター戦をやるなら、)ギャラはキチッと払います。(中略)大仁田さんのところと、みちプロ(みちのくプロレス)さんがジョイントしたときは、そういう部分はどういう形でやったの?」とザ・グレート・サスケに問うなど、既に本気モード。年明けからはこの『ジュニア勢のみによるオールスター戦』構想に、マスコミも過熱。概要が発表されたのは、開催2ヵ月前の2月22日だった。ライガーは言った。「ワンナイト・トーナメントにします。トーナメントにすることで、当然、実現出来ないカードが出てくる。でも、僕はこれが、最もファンに夢を与える方法だと思う」

 一流は最善を知るのか。もちろんオールスター戦自体も魅力だったが、この「幾つもの団体の選手が集い、優勝の一枠を目指して争う」というフォーマットが、結果的に『J-CUP』をたまらなくロマン溢れ、そして、伝説的な大会にした。勝負にはとことんこだわるライガーらしさでもあったが、結局、このひな形は、第2回以降の『SUPER J-CUP』にも適用。部分的に変更もある時はあるが、現在に至っている。なお、この年の『BEST OF THE SUPER Jr.』には、他団体のスペル・デルフィン(当時みちのくプロレス)らも参加。当然、前言通り、ライガーも出場している。

 現在まで8回続く同大会の主催は、団体の持ち回りであり、それが、ジュニア最強を目指して戦う場でありながら、どこか平和的なイメージを併せ持たせるのも特徴だ。もちろん、数ある団体の有望株が同舟するため、そこからブレイクする選手も枚挙に暇がない。第1回目のハヤブサ、サスケ、第2回目の望月成晃、そして、今を時めく飯伏幸太は第5回のそれに出場し(新日本プロレス主催)、後楽園ホールに設置された特別入場ゲートの上からケブラータを炸裂。この第5回にはDDTの男色ディーノも登場し、1回戦では邪道に勝利。2009年のことであり、レスラーもさらなる個性派の時代に入ったと思わせたが、新日本プロレスの“鬼軍曹”、山本小鉄がその破廉恥ファイトに激怒したのは有名。控室まで殴り込んで行ったとされることも、よく語られる逸話だ。しかし、筆者が、当時、控室にいた選手に話を聞くと、怒られていたのは、むしろ、ディーノに負けた邪道だったという話も。曰く、「新日本の選手が、あんな奴に負けて、何をやってるんだ!」と……。

 いずれにせよ、『SUPER J-CUP 1st STAGE』の大成功により、ジュニア勢だけでも興行の柱となり得ることが明らかに。1996年6月17日には、全試合ジュニアのタイトルマッチという、これまたオールスター興行『スカイダイビングJ』も開催されている(日本武道館)

“共催”を旨としたディファカップ


 フロントサイドから言えば、上の『SUPER J-CUP』とは、全く異なる大会となったのが、2003年よりディファ有明で開催されたジュニア勢のオールスター・タッグ・トーナメント『ディファカップ』。2017年のメモリアル大会を含め、計4回おこなわれているが、この、第1回目の発表(2002年11月13日)の時点から意想外だった。会見にレスラーの姿は一切なく、いるのは、当時のノア、ZERO-ONE、闘龍門、IWA、WEWの渉外担当者のみ。この1回目のディファカップ、その5団体による完全共催でおこなわれたのだ。“完全”と強調したのは他でもなく、経費や収益の分割、果ては、会場設営の役割分担まで、奇麗に5分割。つまり、この時点では横一線であり、会場に入ると、当然、物販も5団体分あったわけだが、全売り子、うるさいほど元気そのもの。そちらで早くも火花が散っている感があった。なおさら各団体の選手たちの気合も充填か、他にDDTとフリー勢も参戦したが、名勝負が続出。戦前、参加する他団体の選手を、「くだらないメンバー」としていたウルティモ・ドラゴン(闘龍門)が、YOSSINOとのタッグで優勝後、「くだらないメンバーと言ったことを、お詫びします」と言っていたのが印象的だった。個人的には2日に渡って行われたトーナメントで、“狂猿”、葛西純と愚乱浪花のコンビが最終的に仲間割れしたのが、やけに記憶に残っている。その顛末後、他の記者が、こう言ったのだ。「やっぱり、サルカニ合戦だからね」筆者は言われるまで、全くその要素に気付かなかったのである。

 こちらのディファカップ、2007年の第3回大会は、当時発足していたプロレス組織、グローバル・レスリング連盟(「GPWA」)の主催となったが、合間に森嶋猛vsKAZMAのROH世界選手権も行われるなど、やや形骸化。ジュニア勢の輝く場というより、団体間の協力体制実現の場という趣があった。ただ、それを思わせないほど、リング上は内容ある好勝負揃いだったことは特筆しておきたい。

女子プロのジュニア・オールスター戦、第1回MVPはあの人!


 そして、女子プロレスにも、1996年より、『ジュニア・オールスター戦』が。こちらも主催は各団体の持ち回りで、今までで計5回行われているが、この場合の“ジュニア”は、基本、キャリア5年未満という意味。いわば、新人や若手たちの輝く場として認知されていた。よって、本欄の主意とは違うが、1回目のMVPにあたる『ベストジュニアプレーヤー賞』を、前年デビューしたばかりの里村明衣子が授賞したり、日本テレビ系バラエティ『元気が出るテレビ』の企画、『女子プロレス予備校』出身の4選手が一堂に会しトーナメントをおこなうなど(第1回。しかもレフェリーは、番組でコーチだった山本小鉄!)、興趣は尽きなかった。他にも、第2回で、メインを務めた4人(里村明衣子、加藤園子vs宮口和子、サヤ・エンドー)が試合後は4人並んでコメントを残したり、全くのノーマークと思われていた、大日本プロレスの女子レスラー3人が出場した6人タッグが、当日のベストバウト賞を獲るなど(藤村奈々、藤村奈々、川崎美穂vs石井里奈、広田紗久良、加藤天美)、胸に銘記された場面は多い。やはり、オールスターというか、団体の垣根を超えた場ならではの夢が、そこにあったからだと思う。

 まだまだコロナ禍に揺れる昨今。ノアの件の両国大会が夢を見せてくれるよう、大いに期待したい。

この記事を書いたライター: 瑞 佐富郎

コメント

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  • >当日のベストバウト賞を獲るなど(藤村奈々、藤村奈々、川崎美穂vs石井里奈、広田紗久良、加藤天美)

    藤村奈々選手の名前が重複しているので訂正お願いします。

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    (2022/2/24 20:00)
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