2019/10/11 17:55

立花孝志とプロレスリング【多重ロマンチック的ぼくらのプロレス】

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立花孝志とプロレスリング【多重ロマンチック的ぼくらのプロレス】
5.0

N国党・立花孝志党首が話題だ。話題と言ってもハッピーな方向のことではない。議員脅迫、マツコ提訴、崎陽軒不買運動、株券詐欺疑惑。スラップ訴訟認定で逆転敗訴。いちいち選挙時に訴えていたNHKスクランブル化と関係ないことで声を上げ、墓穴を掘っていく。自分の暴言には「表現の自由」を適用し、自分が批判をされれば「名誉棄損」と提訴をちらつかせ威圧。会って議論しようと大声で叫ぶ。そしてそれを見た取り巻きの信者はどれだけ内容が薄くても「論破」、「論破」を宣言するのだ。

こんな人物でも選挙をゲームと捉え、ストーリー関係なくチート行為のようなやり方(元地方議員という肩書で信用度を高めるが、選挙のたびに任期途中で投げ出す)をもって最短距離で攻略すれば立派な国会議員の誕生だ。まあ、それはいい。過去のプロレスラー議員とて全員が有能だったわけではない。むしろこの攻略法を見つけたことは評価さえできる。

プロレスサイドの人間としてムムッと思うのはプロレスを小バカにしていることだろう。配信者でもあるシバター選手を相手取り、ちょっと批判されたくらいで裁判宣言。その上自ら「リングに上がる」と述べると「一発殴らせろ」とも。プロレスをショーと揶揄するのは構わないが、それでも敷居を低く捉えすぎだ。一方で自身の記者会見にプロレスラー・入江秀忠選手に「乱入」されるとあたふたし、立花氏「ガチのプロレスを本当にするんだったら、やってもいいですよ」と謎答弁。「ガチのプロレス」って貴殿は全日本プロレスシステムズ・白石伸生元社長か!

物申す系Yutuberと知られる「みずにゃん」氏に対談を申し込まれた際にはこんなことを述べている。

(うちは)ナチスみたいだもん。あのね、“ヒトラーは悪い”と決めつけてる人たちが、わけもわからず責めてくるの。ナチスだ。アイム、ヒトラー。ヒトラーって政治家は優秀なところもたくさんあるの。(立花孝志 vs みずにゃん【完全ノーカット版】(https://www.youtube.com/watch?v=7AOwksHvoBg))
みずにゃん氏は完全に聞き手に回り言動を引き出すことに成功。いわば受けのプロレスだ。ナチス支持者であることをこぼすばかりか、自らがヒトラー宣言。この世界標準な時代にこの言動、海外からどう映るのだろうかを気にしないゴーイングマイウェイ。他人に対しては自分理論をかざしてアホバカ扱いでマウントを取ることばかりに終始しているのだ。マウントを取る行為は所見のインパクトはあるだろう。これに対するコメントは立花賛美の勝利宣言の山。しかしマウントを取ったところで論理的なポジショニングを知らなければひっくり返されるのも早い。

ああ、プロレスを知らないというのは罪だ。相手の言葉を聞き、ちゃんとキャッチしてボールを返す、これはプロレスだけでなくすべてのコミュニケーションの基本だろう。そして対談やコラボするならば最低限の下調べをすることだ。

2019年10月3日に立花議員はザ・グレート・サスケ選手と「コラボ動画」と称する動画をYouTube上に上げている。ここで立花議員は猪木信者であることを告白するのだが、猪木アリ戦を「当時はガチだと思ってた」と謎のヤオ目線。サスケ選手がすかさず訂正するも、党首はなぜか話題を「ヒクソン・グレイシーと対戦したことあるんですか?」と総合格闘技とプロレスを混同。

その上「さっき小西洋之議員事務所に乗り込んできた」と自慢げに告白するも、小西洋之議員は野田佳彦前首相系列の民主系議員。サスケ選手が議員時代・野田前首相にお世話になり民主党会派に所属と知ると、驚きを隠せない様子で目が泳ぐN国党首。ああ、冷静に対応するサスケ選手の懐の深さよ。N国にスカウトしたい旨を細々と述べる党首に、サスケ選手は皮肉混じりに地方議会の大切を説き、同じローカル出身のプロレスラー議員であるグレート☆無茶選手を大いに評価。無茶選手は2019年9月15日に行われた長野県長野市議会議員選挙で得票率1位を獲得。その選挙でN国党候補者は落選している。

さて、トークでプロレスするというのはどういうことか。芸人・オール巨人師匠はこんな例えを出している。

 さんちゃん(明石家さんま)は格闘技でいうと名プロレスラー、受け身がうまいんです。受け身に花があると相手を強くすることができますから。(中略)先日、『さんまのお笑い向上委員会』に出してもらったんですが、ワタリ119という元消防士芸人の「何それ!?」っていうネタもいちいち拾ってあげるんですよ。そんなにおもろないのに、きちんと笑いにする職人です(笑)。ああいう若手芸人をそこそこの“レスラー”に見せることができるのは。さんちゃんしかおらんでしょう。ただ、もちろん最後はさんちゃんが勝つんですけどね(笑)。相手の技を散々受けておいて、最後は自分の得意技で逆転し拍手喝采を浴びる。そこはしたたかといえばしたたかです(笑)。(集英社「週刊プレイボーイ」2019年10月14日号No.41 92頁)
数字を持ってないと対面を拒否する者もいれば、無名こそ面白さの宝庫と引き出す者もいる。

ああ、プロレスを知っていてよかった。そしてもっとプロレス心よ、広まってほしい。言葉と行動の裏に何が潜んでいるのか。ほんのちょっと感づくことができるから。

(※画像は「プロレスラーグレートサスケ【元岩手県議員】さんとコラボ」より https://www.youtube.com/watch?v=kcgPIbU5RfM)

この記事を書いたライター: 漁師JJ

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