2019/10/4 21:21

プロレスの面白さを凝縮した「ヒロ斉藤」/多重ロマンチック的ぼくらのプロレス

閲覧数:1791

プロレスの面白さを凝縮した「ヒロ斉藤」/多重ロマンチック的ぼくらのプロレス
4.0

カルガリー・ハリケーンズ、ブロンドアウトローズ、狼群団、nWoジャパン、TEAM2000、クレイジードッグス。新日本プロレスの脇っちょでいつも淡々と進行していた小さなおじさん、それが今年デビュー40周年を迎えたプロレスラー・ヒロ斉藤選手だ。10月25日、後楽園ホール。27日、大阪ATCホールでは40周年記念大会を開催。獣神サンダー・ライガー選手、天山広吉選手が参戦。脳梗塞を患ってからは試合数を制限しているが、確かな実力と指導力は内外から評価が高い。新日本プロレス・YOH選手の通った復活版プロレス学校では講師を務め、YOH選手にとっては師匠筋にもあたるのだ。

ベースボールマガジン社「週刊プロレス」2019年10月9日No.2032では40周年を控えたヒロ選手を特集している。本人へのインタビューも低姿勢で人柄あふれたものとなっているが、ブロンドアウトローズ、レイジングスタッフで行動を共にした保永昇男さんのヒロさん評が面白い。年下の先輩という関係であるヒロさんは常にプロレスの教科書だった。

ヒロさんのスタイルは新日本にいただけでは会得できないものですよ。俺はそんな器用じゃないけど、全日本では理に適った攻め、相手の持ち味を引き出す試合の組み立てを勉強しました。(ベースボールマガジン社「週刊プロレス」2019年10月9日No.2032 69頁)
新日本一筋ではなく、全日本プロレス、メキシコ、カルガリーマットを経験。それぞれのスタイルを経ているからこそ誰にでも合わせられる試合巧者に。新日本プロレスにおいてSANADA選手ら移籍組の登用、抜擢が目立つのも新陳代謝はもちろん、経験値を買ってのことだろう。

そして仕事人・ヒロ選手を称える表現はプロレスそのものの面白さに直結している。

あんまりこねくり回さないで単純明快な方が面白いですよ。(中略)(ブロンド・アウトローズは)マシンと後藤という大砲が2つあって、機関銃がヒロさん、拳銃が俺で。俺が引っ掻き回して、タッチしたらヒロさんのセントーンがあって、最後は後藤ちゃんのバックドロップ、マシンのダイビング・ヘッドバットがドカーンと決まる。(同上)
チームプレイでは率先して下地作り。大砲をぶっぱなしても土台がしっかりしていなければ、反動で味方側もグラグラ揺らいでしまうことだろう。そしてベースつくりの巧者は単独でもWWFジュニアヘビー級王座、世界ジュニアヘビー級王座(初代!)を獲得。WWFは今でいうところのあのWWEのことだ(現地で獲ったわけではないけれど)。

(ヒロ選手は)大きい人をより大きく見せられるし、自分のいいところも売れるし、最後は負けちゃったとしても、弱い負け方はしないみたいな。(同上)
まさにこれぞプロレスという言葉。インタビューでは引退も口にしているヒロ選手。特集最終ページの編集長コラムでは令和版ヒロ斉藤塾の開講を求めている。コーチ業というのが日に当たりにくい日本のプロレス界ではあるけれど、確かにその指導力を埋もれさせるのは惜しいこと。週プロがお金出してでもプロアマオープンのヒロ斉藤塾、本当に開かれないかなあと思うものだ。

この記事を書いたライター: 漁師JJ

コメント

    まだコメントはありません。

おすすめ記事

新しいコメントを投稿する

 [PCから画像ファイルをアップロード]

関連付けられたタグ

なし
[タグを付ける]

<< 一覧に戻る