2019/8/18 11:43

武藤&小橋で世界タッグ挑戦未遂?技のパクリを許されたNOAH選手とは?約2年半ぶりに緑のリングに登場!武藤敬司とNOAHマット

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武藤&小橋で世界タッグ挑戦未遂?技のパクリを許されたNOAH選手とは?約2年半ぶりに緑のリングに登場!武藤敬司とNOAHマット
3.5

9月16日の大阪大会で、約2年半ぶりにNOAHマット登場!


 8月12日、『G1 CLIMAX』も終了し、一息ついた感のあるマット界だが、それはあくまで新日本プロレスにおいてのこと。他団体は同大会期間中も、次に向けて積極的に動いている感があった。8月11日には全日本プロレスにて、『青木篤志追悼大会』が開催。青木さんの前所属団体のNOAHからも丸藤正道、杉浦貴、谷口周平、熊野準が参戦し、大きな話題を呼んだ。8月4日には、NOAHへの、武藤敬司の参戦が決定(9月16日・エディオンアリーナ大阪)。これは現GHC王者の清宮海斗の熱望によるもので、2人はトリオを組むことが決定していたが、14日、そのもう1人のパートナーが秋山準と決定。NOAH、W-1、全日本プロレスのトップが一堂に会すことになる(※対戦相手は15日時点で未定)。NOAHは、11月2日の両国国技館大会を控えており、このビッグイベントに繋がるものなのか、興味も尽きない。

 今回の当欄は、盛り上がり必至の同大阪大会を睨み、武藤敬司とNOAHマット、その関わりを大特集したい。

先ずは新日本マットで、NOAH勢と激突!


 2000年8月に旗揚げしたNOAH。武藤がこの団体と最初に接点を持ったのは、翌2001年10月8日のことだった。当時、武藤が所属し、同日おこなわれた新日本プロレスの東京ドーム大会に、NOAHの秋山準が参戦。永田裕志とタッグを組み、武藤&馳浩組とメインイベントで激突したのだ。『プロレス50周年ドリームマッチ』と銘打たれた同試合は、その肩書きに違わず、武藤は時の三冠王者、そして、秋山は同じくGHCヘビー級王者。実はこの日、NOAHも静岡・浜松で試合があり、秋山は同大会では第1試合に出場。移動しての2試合目となったわけだが、それほど、この試合には欠かせぬ選手だったということになる。

 2人の絡みでは、武藤がムーンサルトを秋山に見舞うシーンがハイライトだったが、なんと武藤が距離感を誤り、膝から秋山の体に落ちる形に。武藤は膝に大ダメージを負った。試合は永田が馳をフォールしたが、武藤は、このミスについて、こう語っている。「(秋山の)勢いを実感して。俺の焦りだね。距離感を間違えてしまって」というのも、この一戦が決定した8月下旬。武藤は秋山について、こう語っているのだ。

「所詮は永田と同列の奴だなあとしか思ってないよ」「正直言ったら、本当は三沢って者の名前をあげたいけど、それはやっぱり、秋山、永田に対して失礼だから」(8月21日・全日本プロレス合宿所)

 さらに、実際、試合が終わった後、こうコメントしている。

「正直、今日やるまで三沢って名前を出さなかったけどね。アイツ(秋山)の先輩である、アイツを教えた三沢ってのが一段と……。なんていうのかなあ?まあ、負けたから言えねえけどな」

 新日本と全日本に分かれながらも、90年代、ライバルと言われ、ファンの妄想を掻き立てて来た2人。NOAHと聞いて武藤が視線をロックオンするのは、やはり三沢なのだった。

 その武藤と三沢の公の場での初対面は、1999年5月13日、『第3回プロレス写真記者クラブ写真展』のオープニングパーティー。ここで2ショットを撮り、歓談しているが、その内容を紐解くと……。「オレは勝手にライバルだと思っているよ。恋人に会ったような気分だよ」(武藤)、「嬉しいですよ。若いときから(武藤とは)比べられてきたのでね」(三沢)。折しもこの時、ジャイアント馬場の逝去から4ヶ月となり、三沢は全日本プロレスの新社長に就任したばかり。武藤が「社長就任、おめでとうございます」と花束を渡すシーンも。

 その武藤が、NOAHマットへの初登場、並びに、念願の三沢との対戦を実現させたのは2004年7月10日、NOAHの東京ドーム大会でのことだった。

1981年デビューの三沢が、武藤に嫉妬?


 太陽ケアと組み、三沢&小川良成組の保持するGHCタッグ選手権に挑戦した武藤。先発は互いのパートナーに譲り、ケアがいきなり小川に、故・ジャイアント馬場の持ち技、ジャイアント・バックブリーカーを仕掛けるなど、こちらはこちらで魅せたが、やはり注目は武藤と三沢の対決。その夢の手合わせは開始2分後の午後9時5分に実現。タックル合戦によるファーストアタックの後、いきなり三沢がタイガードライバーを放つと、武藤も直後にシャイニング・ウィザードを炸裂。その後、三沢がシャイニング・ウィザードを発射すると、武藤はエメラルド・フロージョンで応戦するなど、互いを意識した攻防に。とはいえ、この模倣合戦については、「(三沢のシャイニング・ウィザード、)美しくねえよな」(武藤)、「(武藤のエメラルド・フロージョン、)入り方、違うじゃねえか」(三沢)と互いに手厳しかったが、武藤は試合後、こう呼びかけた。「夢の続き、観ませんか?」

 果たして3ヶ月後の10月31日、当時の武藤の所属だった全日本プロレス・両国国技館大会で両雄のタッグが実現。立会人のスタン・ハンセンと三沢が握手するなど、試合前から場内のムードも最高潮の中、2人は馳&佐々木健介の名タッグを相手に、初タッグとは思えぬ呼吸を披露する。武藤の場外へのプランチャには三沢がエルボー・スイシーダを同時発射。武藤が馳に4の固めを決めれば、三沢は健介をフェイスロックで捕獲。三沢が馳にタイガードライバーを放てば、直後に武藤がシャイニング・ウィザード。最後は武藤が馳をムーンサルト葬に沈めたが、退場時には、三沢が武藤の手を挙げるシーンも。「ぶっちゃけ、3日前から風邪をひいてたんだけどね」という武藤。試合後、馳からも、「一言で言って、武藤、太り過ぎだな」と言われており、コンディションは必ずしも良くなかったようだが、その分もあり、相棒・三沢の動きを絶賛。この日は、『武藤敬司デビュー20周年興行』としておこなわれたが、コメントルームに臨席した三沢はこれに対し、「俺の場合、会社と重なってるんでやりにくい。俺がデビュー20周年の時、会社(NOAH)が1周年だった」と笑い、「武藤選手の言った後に、ついて行きます」と笑顔。それは今後も、武藤の願いなら、前向きに聞き入れるという意味だった。

 だが、2009年6月13日、三沢は急逝。訃報に当たっての全日本プロレス社長(当時)。武藤のコメントが思い出される。「(団体が)困ったら、ヘルプして貰おうと思ってた……」

 次に武藤がNOAH勢との接点を持ったのは2009年9月27日の、NOAH・日本武道館大会。その三沢の追悼大会だった。NOAHの新社長の田上と組み、小橋&高山善廣と対戦。田上との社長コンビで、シャイニング・ウィザードの競演も果たしたが、最後は田上が小橋にフォール負け。「勝手に(シャイニング・ウィザード、)使っちゃいました。すいません」(田上)、「いえいえ、他の選手が俺の技を使う場合はロイヤリティーの話をするんですが、社長の場合は、どんどん使って下さい!」(武藤)と、武藤も試合後、ここぞとばかりに社長トーク。とはいえ、「グレート・ムタも(真似していいですか)?」と田上が聞くと、「どうぞどうぞ!あれ、コスチューム高いですよ」とリアルに返していたが。そしてこの日、武藤はNOAHにおけるまた一つの宿願を果たす。小橋建太との初対決を果たせたのだ。

武藤&小橋組で、矢野通&飯塚高史組、秋山準&大森隆男組に2連勝も……。


「俺もベビー・フェイスだけど、究極のベビー・フェイスとは小橋のこと」と、この方面には脱帽してた武藤。初対決では、武藤の膝をチョップで攻めるなどの、小橋らしいシーンも。

 この年の11月には『蝶野正洋デビュー25周年興行』で、この小橋&蝶野とトリオを結成した武藤(相手は小島&中西&秋山準)。2011年8月と翌年2月には、東日本大震災のチャリティ興行であるオールスター戦『ALL TOGETHER』で、小橋と純粋タッグを結成。やはりその小橋のカリスマ性には一目も二目も置いたようで、初戦の試合後は、「小橋よ、プロレスは連続ドラマだ。2人で世界タッグの王座を狙おうぜ!」と勧誘し、「今、王者誰だっけ?!」とマスコミに逆取材。だが、直後にトーンダウン。記者から、現王者がザ・グレート・ムタ&KENSO組と聞いたためであった。「(王者、)俺だったのか……。じゃあ無理だなあ。でも、なら、2人でGHCタッグ、狙おうぜ!」と、往生際も悪く諦めぬ武藤の姿に、小橋への絶対的な評価が見えた。

 2012年3月には、この夢が少々形を変えて実現。GHCタッグ王者、秋山&齋藤彰俊組に、小橋&潮崎豪組が挑戦する予定だったのだが、小橋が、前述の『ALL TOGETHER』第2戦で膝を負傷。欠場の運びとなり、この時、タッグパートナーだった武藤が小橋の代打として同王座に挑戦。惜敗し、「俺3割、潮崎7割で動ければ良かったけど、俺8%、潮崎92%の動きだったのが敗因」としたが、会場を大いに盛り上げた。

いつの間にか、敵でなく、憧れられる存在に。


 その後、秋山準に獲られた三冠王座の奪還に挑むなど、NOAHの選手たちと激闘を繰り広げた武藤だが、前出の潮崎とのタッグの次にNOAHマットに上がったのは2017年の3月。丸藤正道との初タッグで、KAZMA SAKAMOTO&ムース組に完勝。これも冒頭の清宮ではないが、丸藤の熱望で実現したコンビだった。

 それ以来となる武藤のNOAHマット登場。清宮はこう語っている。「NOAHの新しい景色を見せたい」三沢も小橋もいない現在のNOAHマット。その中で、「プロレスは、一生やろうと思ってる」が口癖のレジェンド、武藤の登壇は、本人が上記のように断続的に参加して来ただけに、まさにNOAHの進化と変貌を見せつけるにはうってつけだ。

 だが、トリオ結成が決まった秋山準は、会見でこう語っていた。「清宮、俺は仲間でいいのか?俺は前に立ってた方が少しは勉強になるんじゃないのか?君の考えがあるなら俺は横に立つけど、俺ら2人に飲み込まれるなよ。特に武藤敬司には気をつけろ」

 いわば清宮にとって、真の敵は武藤と秋山と言っていいだろう。11月の両国大会では、GHC王座の防衛戦も待つ清宮。パートナーに凌駕されぬフレッシュファイトに期待したい。

この記事を書いたライター: 瑞 佐富郎

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