2019/5/26 11:16

恐るべき亀田の本気!あの賭博引退力士が、涙の一言。激突・那須川vs亀田!AbemaTV名勝負集!

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6月22日、一騎打ち!


 周囲の方々の厚意もあり、テレビ関連のお仕事を頂くこともある筆者なのだが、9年前のことだ。新番組の企画募集に、たまたまプロレス中継を柱にしたアイデアを出したことがあった。

 するとどうだ。最終的に実現こそしなかったが、同案がコンペの類を勝ち残り、挙句、「ぜひチャンネルの目玉に」と、妙にもてはやされたのである。翌年より、民放のBS放送が開始される、2010年のことだった。なるほど、チャンネルが増えるわけだから、当然、新たな番組がたくさん必要となる。だが一方で、プロレス番組へのいの一番の高評は、どこか不思議でもあった。なぜなら、その時、他にも優れたバラエティやドキュメンタリーの企画案も多く挙がっていたのである。高名な放送作家の方が、わかりやすく説明してくれた、その理由が忘れられない。

「だってバラエティやドキュメンタリーは、他のチャンネルでも観れるものだろ?いくら『個性的なバラエティがありますよ』と言われても、わざわざ新たにチャンネルを合わせてもらうまで持って行くのは難しい。それが、『このチャンネルには、プロレス中継がありますよ』『それも他のチャンネルでは観られない団体や機軸のものですよ』となれば、先ずプロレスファンにヒットさせることが出来るし、それだけで独自性が出せて、看板になり得るんだよ」

 確かに、1990年代初頭、前田日明率いるリングスや、天龍源一郎が在籍したSWSを放映していた衛星チャンネル・WOWOWが、猛烈に観たかった記憶を、筆者も思い出した。

 5月21日、衝撃的なカードの実現が発表された。那須川天心vs元ボクシング3階級世界王者・亀田興毅(敬称略)。しかも、亀田が那須川をKOすれば1000万を獲得できる特別ルール付き。この設定でおわかりだろう。仕掛けたのは『AbemaTV』。かつて、『亀田興毅に勝ったら1000万円』等の番組企画を実現させて来たインターネットテレビ局である。これらが、それこそ世間の話題になるように、リングとの親和性も高い。

 今回の当欄は、このAbemaTVでおこなわれた今までのバトルを概観。その内実まで、切込みたい。

元SMAPの3人の出演でも有名に。


 AbemaTVは、2016年4月11日に本開局。先述のとおり、スマホやパソコンでの視聴を前提としたネットテレビ局である。ネットで動画が観れるサービスなど、今ではごまんとあるが、それらとの最大の違いは、後者があくまで、観たいコンテンツを観たい時に観られる、オンデマンド方式なのに対し、AbemaTVは、番組自体は24時間体制で放映しているということ。事実、AbemaTVの登録料は無料なのだが、見逃した番組を再見するには、他に料金がかかる。つまり、地上波の放送局と、フォーマットは酷似しており、アクセスすればいくつかのチャンネルで、常になんらかの番組がやっていることになる。この方針の理由は、特に日本人には珍しくない、“ながら視聴”の需要を取り入れたことが一つ。もう一つは、後発のネット事業局として、全体としてのシェアを上げるのはこの打ち出しが一番という結論にいたったからだった。事実、開局当初の利用者数は週約120万だったのにたいし、2019年1月の週間利用者数は約600万と、大幅に認知されている。

 とはいえ、新チャンネルが出来た場合、“刺さる”内容がなくては、視聴行動に向かわないのは冒頭に述べた通りで、スタート時は、報道キャスターとしてはご無沙汰していた、みのもんたさんをニュース番組に起用。「僕はね、江ノ島を買って、みの島と名付けたいの(笑)」など、奔放な発言で、いわゆる炎上禍も少なからずあったが、ネットテレビとしての親和性は高かったといえよう。

 とはいえ、やはり企画自体に超ド級のインパクトがないと、大きな視聴者数のジャンプアップは望めず。それを果たしたのが、同局が語られる際、今後も必ず挙げられるだろう名企画、『亀田興毅に勝ったら1000万円』である。

 2017年5月7日放送と、同局の開局1周年を記念した同番組は、亀田興毅に素人が挑戦する企画。合計2983通の応募の中から、ホスト、ユーチューバー、高校教師、元暴走族の総長が選ばれ、それぞれ3分3ラウンドで激突。亀田はいわば4人掛けとなったが、最後の元暴走族の総長のみ判定勝ちで、後はKO勝ち。この番組の視聴者数がなんと1420万を超え、アクセス集中のため、サーバは一時ダウン。それまで同局の最高視聴者数を記録したのが、『極楽とんぼ KAKERUTV』の約350万だっただけに、いかに破天荒な数字かがわかるだろう。まさにスーパーヒットコンテンツになったのだった。

 以降、同局は、格闘技ものにより注力するようになって行く。かつて亀田興毅が初黒星を喫したポンサクレックとの再戦を組んだり(2018年5月5日・公式記録にはならず)、2018年の元旦には、『亀田大毅に勝ったらお年玉1000万円』を放映。他にも、今年の3月だけで、『DEEP JEWELLS 23』『RIZE WORLD SERIES 2019 1 st Round』『K-1 WORLD GP JAPAN』『ONE』の4大大会を無料生中継の他、格闘界の次世代スター発掘を目指すドキュメント『格闘代理戦争』も話題に。さらに、2018年1月より、大相撲の全場所を完全生中継する『大相撲チャンネル』を開設。力士紹介は、トレカ風デザインとして、『歴史に名を残す男 白鵬』『KING OF クレーン 栃ノ心』など、キャッチフレーズもプロレス的。こちらは毎日100万程度の視聴者数を記録するというから、大相撲人気の広がりに一役買っていると言えるだろう。

 そして、この可能性に自ら目をつけたのが、DDTの高木三四郎社長であった。

自前で発信出来るメディアを狙っていたDDT


 もともと、テレビ朝日40%、サイバーエージェント60%の共同出資という形で開局したAbemaTV。よって、『ワールドプロレスリング』でお馴染みの新日本プロレスの試合の配信も当然あったが、『偉大なる創業バカ一代』という、一代でユニークな会社を成した社長を紹介する同局の番組に、高木が出演。もちろんAbemaTV側からのオファーによるもので、スタジオ入りに、ハイヤーが使われたというから凄い。(そういう絵作りなのかな?)と、高木は思ったそうだが、先方が言うには、「いえ、社長さんですので、失礼のないように」。ここでサイバーエージェント社長の藤田晋氏と知己を得た高木が、同氏との食事の際、スマホに仕込んでいたDDTの動画を見せて“プレゼン”。路上プロレス、電車プロレスに、さいたまスーパーアリーナ大会までも紹介し、その絵力(えぢから)と、振れ幅をアピール。2017年9月22日、サイバーエージェントがDDTの株式を100%取得する形で、M&Aが実現したのだった。以降、通常の試合中継はもちろんのこと、『DDT VS サイバーエージェント 路上プロレス-男色死亡遊戯』『DDT LIVE!マジ卍超“路上プロレス”in AbemaTowers』『DDT路上プロレスinフジサワ名店ビル』などの特別番組も放送している。

 因みに、藤田社長のプロレスに対するスタンスは、「正直、私はプロレスに詳しいわけではないんですけど」(2017年9月24日・DDT後楽園ホール大会での挨拶にて)、そして、そのリング上の権限は、「えっ?全然ないです(笑)」(『週刊プレイボーイ』2017年12月18日号)

 要するに、「好きにやって欲しい」というわけで、この藤田社長の姿勢は他にも透徹しており、地上波の制約を気にしない番組作りが出来ることもあり、テレビ朝日でも有能な人材がabemaTVに参じるという傾向がある。テレビ畑のブレーンたちに負けない、高木社長の次なるアイデアや仕掛けにも、ぜひ注目したいところだ。

元横綱vs元大関の対決!


 さて、那須川vs亀田(興毅)だが、気になる情報がある。実は先の『勝ったら1000万円』に亀田が臨む数日前のことだ。スタッフは、「仕上がりはどう?」と聞くと、亀田は答えたという。

「1割くらいかな?相手は素人だし、それで十分。ミットはめて、リングに上がってあげましょうという感じ」

 ところが今回は、相手が相手だけに、亀田も本腰。21日に行われた記者会見では、「(事前に放送された特番)『那須川天心にボクシングで勝ったら1000万円』を見て意外と強いな、と思った。ナメとったらあかんな、と。リスクがあるから鍛えておかなあかん。(中略)元プロである以上はそれなりの体を作ってリングに上がらないといけない。ボクシング界の人間として、ボクサーとしてかっこ悪くない試合をしないといけない。(中略)少しずつボクシングのトレーニングを始めたが、筋肉痛がひどい」。同じく立ち技格闘技を引っ張って来た魔裟斗もそのインスタグラムで「興毅なめたらヤバイよ」と投稿。ハードファイトの予感は避けられまい。

 また、前項の藤田社長の姿勢ではないが、即断即決が多い、フレキシブルな気風はAbemaTVの持ち味。『勝ったら1000万円』マッチの打ち上げで、亀田が「(ユーチューバ―の)ジョーさんは、プロでもいけそう」と言うと、その場で亀田がジョーさんをプロに向けて鍛える新番組、『亀田×ジョー プロボクサーへの道』が、ほぼ決定(7月には放送開始)。よって、那須川vs亀田興毅がどういう結末になろうと、NEXTはあるのではないか?この辺りも十分注視していきたい。

 最後に、2017年の大晦日、『朝青龍を押し出したら1000万円』という番組が、AbemaTVで放映された時のことだ。8人の挑戦者が選ばれたが、最後の相手は、元・琴光喜であった。賭博事件で角界を引退した元大関である。入場の浴衣は、辛い時に一番励ましてくれたという横綱・白鵬からもらったもの。そして入場曲は、当時、ガンと闘っていた友人、いときんさんがメンバーであるET-KINGの『ギフト』(※いときんさんはこの1ヶ月後、逝去)。さまざまなものを背負い、朝青龍に挑んだが敗れ、琴光喜は言った。

「これで本当の引退だ」

 胸が熱くなった。さまざまな事情で、リングを離れた格闘家、レスラーもいるはずだ。決して大向うにおもねることなく、作りたいもの、見せたいものを具現化していく同局の企画に、今後とも期待したい。

この記事を書いたライター: 瑞 佐富郎

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