2019/3/3 12:13

「トランキーロ」は飯伏の口癖だった!? 内藤を無口にさせた飯伏の躍進!『NEW JAPAN CUP』1回戦で激突!内藤vs飯伏の軌跡!

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「トランキーロ」は飯伏の口癖だった!? 内藤を無口にさせた飯伏の躍進!『NEW JAPAN CUP』1回戦で激突!内藤vs飯伏の軌跡!
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3月10日、尼崎大会で6度目の対決!


 さる2月25日、“春のG1”こと、『NEW JAPAN CUP』の組み合わせが発表となった。参加メンバーは、なんと例年の倍、そして史上最多の32人!一発勝負ならではの、熾烈な蹴落としがより一層予想されるが、それもそのはず、今回の優勝者には、来たる4月6日、米ニューヨークのマジソンスクエアガーデン(MSG)大会での、IWGPヘビー級王座への挑戦権が与えられるのだ。ROHとの共催興行ながら、新日本プロレスにとって歴史的な一歩となる同大会。MSGでの至宝挑戦となれば、今年の同トーナメント制覇は、『G1 CLIMAX』優勝に勝るとも劣らない価値があると言って良いだろう。

 中でも発表された(1回戦)カードの中で最注目されるのが、3月10日の尼崎大会で行われる内藤vs飯伏だ。片や現IWGPインターコンチネンタル王者であり、一方の飯伏は先日の大阪大会(2月11日)で、新日本への残留を表明したばかり。互いの実力、勢いを加味すれば、ここで勝った方が優勝戦線に残る可能性は極めて高い。

 実は同じ1982年生まれの両者。また、同じく天才肌のレスラーゆえか、以前よりその関わりについては、マスコミも着眼するところであった。今回の当欄はこれまでの2人の絡みを振り返り、来たるべきドラマを堪能したい。

2年後輩の内藤が、飯伏にダメ出し!


 2009年、当時は純然たるジュニアヘビー戦士として新日本に初参戦した飯伏。注目の内藤との遭遇はそこから4年の2013年8月2日、飯伏の『G1 CLIMAX』初参戦で実現した公式戦でのことであった。このいきなりの一騎打ちに、飯伏はフェニックス・スプラッシュで勝利。試合後、握手を求めると見せかけて、自ら空かす内藤の姿が見られた。曰く、「いい試合をするとか、盛り上げるじゃない。勝たなきゃ(俺は)意味がないんだよ」この時のG1で自身初の優勝を果たした内藤。まだロス・インゴベルナブレス入りしておらず、勝利のみに貪欲な姿勢が見られる。

 2ヶ月半後の10月25日には後楽園ホールで初タッグを結成。田中将斗&高橋裕二郎組を下した(飯伏がフェニックススプラッシュで裕二郎をフォール)。とはいえ、「仲間割れするか、しっかり試合が成立するかのどっちかだと思ったけど、今日はその中間という感じ」と試合後、内藤が語ったように、さしたる連係等は見られず。ただ、決着後、面白いシーンがあった。先にさっさと帰ろうとする飯伏を内藤が呼び止め、再びリングに戻したのだ。「おいしいところだけ取って先に帰ろうとしたんで、『ちょっと待てよ。まだ話はあるんだ』って(笑)」実はこの2013年10月より、飯伏はDDTと新日本のW所属レスラーに。前述のように同い年であり、言い足せばレスラーとしてのキャリアは飯伏の方が2年長かったりするのだが、にもかかわらずのこの内藤のあしらい。新日本プロレスの先輩として対処していたと言えるだろう。

 なので、2度目の純粋タッグ結成となる2014年9月21日も、そのスタンスは変わらず。カードは内藤、飯伏vsAJスタイルズ、タマ・トンガで、飯伏とAJの初対決だったのだが、「俺自身も見たい顔合わせでしたからね。じっくり見させて貰いました」と、余裕めいたものを見せていた。

 ところが、この状況が、翌2015年になると一変するのである。

数少ない、内藤のノーコメント時代。


「同じ1982年に生まれて、同じプロレス界に生きてる人間として、飯伏幸太、常に先を走ってる人間だなって。スゲー悔しい思いはあるけど、このタッグは大事にして行きたい」2015年2月14日、仙台にて飯伏との3度の純粋タッグを組んだ後の内藤のコメントだ(相手は桜庭和志&矢野通)。言葉通り、飯伏の躍進はあったが、実はこの3日前の大阪大会で、内藤は、自身でも未曾有と言っていいブーイングを、わけもなく受けていた。当時を知る読者ならおわかりのように、この時期の内藤に理由不明のブーイングが飛ぶこともあったが、この大阪大会の時のそれは決定的に大きなもので、同大会後、内藤はこう語っている。「オレには大歓声にしか聞こえなかったですね。気持ちいい中で試合をさせてくれた大阪のお客さんにオレは感謝しますよ。ただね、もっともっと応援してほしいね」

 強がってはいるが、飯伏とのタッグ後のコメントに、その陰が見える。2人は同年の『NEW JAPAN CUP』準決勝で対戦。飯伏が勝利し、そのまま同トーナメントにも優勝。そのまま4月5日、両国国技館大会での、AJスタイルズの持っていたIWGPヘビー級王座への挑戦権を得た。なお、飯伏との準決勝に敗れ、これで飯伏とのシングル戦績は0勝2敗となった内藤はノーコメント。この日の会場(広島サンプラザ)では、解説に大好きな広島カープのOB、前田智徳がついており、その眼前で優勝出来なかった内藤の気持ちはいかばかりだったことだろう。

 7日後の3月22日には、内藤&飯伏vsAJスタイルズ&高橋裕二郎の、いわゆる飯伏とAJの前哨戦が実現(飯伏が裕二郎をフォール)。連係はソツなくこなしたが、先発を飯伏に譲り、またも試合後はノーコメントの内藤。さらにこれまた前哨戦となる4月2日の同カードでは、内藤自身がAJにフォール負け。いわば4月5日のAJvs飯伏のかませ犬的な立場になってしまったのだった。もちろん試合後はまたノーコメント。怪我による長期欠場期間を除けば、この時期こそ、リング上の内藤の暗黒時代だったと言っていいだろう。

 そして、この関係が、さらに激変する。5月にメキシコ・CMLL遠征を果たした内藤が、ロス・インゴベルナブレス入りして帰国したのだ。

2人ならではの攻防にも注目!


「ちょっと悔しいな、と」。同年8月5日、G1の公式戦にて、内藤との3度目の一騎打ちに初めて敗れた飯伏の翌日のコメントである。だが、続く言葉は、「『トランキーロ』は、僕も私生活で、前々から友達相手に使ってたんですよ!」。そう、内藤はお馴染みの一言、「トランキーロ」を携えて帰国。飯伏は勝敗よりも、むしろこれにかみついたのだった。しかもこの時期、「トランキーロ」は使い始めてまだ約1ヶ月(※7月3日に初使用)。それほどファンの口の端に上ってはいなかった。普段使いしていた飯伏だからこそ、この言葉の中毒性をイチ早く認識していたと言えるだろう。対して勝った内藤は、「CMLLの選手間で、棚橋、AJの名は聞かなかったけど、飯伏の名は何度か聞いたからね。その飯伏に勝ったのは、一番価値のあること」とコメント。とはいえ、既にその表情は、後のロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの頭領らしく、ふてぶてしいものだった。

 以降、2人の道はさらに奔放そのものに。9月11日にはタッグを組んで柴田&真壁組と対戦しているのだが、内藤が、飯伏の命からがらのタッチを透かすとみせかけて、最終的にはタッチをしたり、試合後、ねそべる内藤の上を飛び越えて飯伏が(当時抗争中だった)真壁にドロップキックを放ったり……。もともと自在流のファイトが基盤にある両者とはいえ、自由にもほどがあるファイトだった。

 その後、11月に内藤はロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンを正式発足。国内ではタッグ結成なく、現在に至り、その後のG1での公式戦が2017年、2018年と、1勝1敗で、通算戦績は飯伏の3勝2敗となっている。

 その試合内容というか、繰り出す技の激しさにもぜひ注目したい。ポイントとなるのは、特に内藤が飯伏戦で見せがちな、雪崩式裏フランケンシュタイナー。2015年3月の2度目の対戦で成功させ、飯伏は頭頂部から真っ逆さまにリングに突き刺さった。続く同年8月の3度目の対戦では、飯伏はこの技を警戒し、内藤が反転するところを、その膝を持ってコーナー上で耐え、内藤は虚空に宙ぶらりんに。ところが次の瞬間、内藤は体が逆さまの状態から、手近にあったトップロープをつかみ、力を込めて回転に成功。飯伏はまたも同技を食らったのだった。とはいえ、飯伏も負けてはおらず、最新の2018年8月のG1公式戦では、この雪崩式裏フランケンシュタイナーを回転して着地してみせている。さらに2人の攻防で凄絶なのが、前方回転エビ固めをめぐる攻防。2度目の対決で、これを見舞う内藤の回転を飯伏が途中で耐え、そのままツームストンドライバーの形でマットに突き刺している。こちらは5度目の対戦で、内藤が飯伏に同じ技を、そっくりやり返している。

 その他、あの2015年1月4日の中邑真輔戦で見せたスワンダイブ式ジャーマンを、飯伏はこと、内藤相手には2回に渡って披露。さらに、デスティーノを途中で耐え、垂直落下式裏DDTのように返したり(5度目の対戦)、同じくデスティーノを途中で耐え、槍投げのように内藤をコーナーポストに投げぶつけたり……(4度目の対戦)。それ以外にも、飯伏は内藤相手になるとある程度のリミッターが外れるようで、雪崩式パイルドライバーという荒技も披露している(4度目の対戦)。

 2017年7月の4度目の一騎打ち、既に人気も高値安定していた内藤は、試合前、当時は個人事務所「飯伏プロレス研究所」所属でフリーの立場だった飯伏に、こう告げている。「彼がこの一年で何試合やって来たのか?年間10試合程度でベストが出せるんだったら、みんな10試合しかやらないよ。僕をがっかりさせないで頂きたいな、と」

 先述のように、新日本残留を表明した飯伏。今後は腰を据えた戦い模様になる可能性大だ。内藤戦はその覚悟と未来への輝きを知る嚆矢になるだろう、期待を大にして楽しみたい。

この記事を書いたライター: 瑞 佐富郎

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