2018/12/10 17:41

あの日の『ダイナミックキッド』【多重ロマンチック的ぼくらのプロレス】

閲覧数:1911

あの日の『ダイナミックキッド』【多重ロマンチック的ぼくらのプロレス】
4.8
最新のコメントに移動

僕が彼を知ったのはブラウン管の中だった。それも実在の人物としてではなく、コンピューターゲームのキャラとして。彼の名前は「ダイナミック・キッド」。1992年12月25日、ヒューマン株式会社より発売されたスーパーファミコン用ソフト『スーパーファイヤープロレスリング2』に登場したプロレスラーだ。マスク・ド・パンサー、武道剣とともに隠しレスラーとして収録。

友達・つとむくんがもっぱら火を吐くマッド・タイガーや、七色の毒霧を吹くブレード武者のを選ぶ中、こんなやつもいるんだよと、よく地のパラメーターが高い隠しキャラで対抗したものだ。

場外への華麗な空中技を使用するマスク・ド・パンサーにも魅せられたが、リングから飛ぶタイミングが意外と難しく、高速ブレーンバスターを駆使するダイナミック・キッドも魅力的に映った。元ネタはよくわからなかったけれども、パンサーのライバルとして設定された「猛爆野郎」は、威力の高い組技・高速ブレーンバスターとツームストンパイルドライバーが本当に強烈で、さらに畳み掛けるダイビングヘッドバッドが必殺技に設定されていた。金髪のグラフィックとは裏腹に試合が面の彼は坊主頭に水色ロングタイツ。まさしく玄人好みの渋くて強いレジェンドだった。

「ダイナミック・キッド」が実在の選手で、しかも現役の選手であると知るのは1996年10月10日、みちのくプロレス両国大会「竹脇」だった。初めて見るその人は、ゲームとは違い「おじいちゃん」だった。1958年生まれだから当時は38歳だったと思うのだけれど、10歳足してもお釣りがくる燃え殻のような体躯。ユニオン・ジャックの描かれたロングタイツは全盛期のものだったのだろうか。細い足にはだぼだぼに映り、残念ながらゲームの中のファイトを再現することはなかった。ただしその眼光は鋭く、只者ではないオーラをバンバンに漂わせていた。玄人好みの渋くて強いレジェンドそのものだった。対角線上には並ぶのはファイプロでパンサー、マスカラ・コンドル、ブレード・ハヤテの名前で見たことがある面々。当時はなかなか過去の映像を見ることがかなわなかったが、リングに入った際の観客の盛り上がりやゲーム上の動きから全盛期を想像を掻き立て、興奮を抱いた。そして何年後かにVHSで全盛期を見た「爆弾小僧」は筋肉隆々で、ゲーム以上の動きだった。想像以上のものだった。ああ、これが両国で起きた歓声の正体であったんだな。

ファイプロ2の隠しレスラーは、LRを押しながら既存選手を選択することで選ぶことができるのだが、ブレード武者を選ぶと正体である武道剣が選べるのはうなづけるとして、ファイター大和を選ぶことでダイナミックキッドを選べるのが当時も今も解せなかったが、「へんしん!」とボタンを押しつつ毎回ダイナミックキッドを選んでいた僕。つとむくんはファイター大和の正体がダイナミックキッドだと教え込んだことを今も覚えているだろうか。あ、ほんとはウン、違うんだよ。ダイナミックキッドの正体は、文字通り爆弾のような生きざまを駆け抜けた「猛爆野郎」だったんだよ。

(※画像は勁文社刊「ファイヤープロレスリング2 スーパーファミコン必勝法スペシャル」より)

この記事を書いたライター: 漁師JJ

コメント

最新のコメントに移動
  • 懐かしい(*´∀`*)ノ

    ID:7515341 [通報]
    (2018/12/11 0:07)
    0 0
    賛成:0% / 反対:0%

    Loading...


  • 大和の隠しレスラーだったのは藤波のJr時代のライバルがキッドだったからじゃない?

    ID:9055845 [通報]
    (2018/12/18 8:52)
    0 0
    賛成:0% / 反対:0%

    Loading...


おすすめ記事

新しいコメントを投稿する

 [PCから画像ファイルをアップロード]

関連付けられたタグ

なし
[タグを付ける]

<< 一覧に戻る